何十年も前に買ったものや、家族から譲り受けたウイスキーでも、封が切られていない限り、査定にお出しいただけます。古いボトルでは、液面の高さ、キャップやコルクの具合、ラベルの傷み、中身の色といった保管の跡がそのまま評価に表れます。また「特級」の表記や容量の数字から、出荷された時代を読み取れることもあります。この記事では、売る前にご自身で見ておきたい点と、査定までの置き方、写真の撮り方を順にまとめました。
古いボトルが買取の対象になる条件
年数がたったボトルでも、査定の前提は未開封であることです。キャップを包むフィルムが少し破れている程度なら、栓の封が保たれている限り未開封として扱い、破れは状態の一つとして見ます。一方、一度でも栓を開けたボトルや、封印が壊れているもの、キャップの爪が折れているものは、原則としてお引き取りできません。中身がほとんど残っていても扱いは変わらないため、売ると決めたボトルは味見をせず、そのままにしておいてください。
化粧箱や冊子が残っていないボトルも珍しくありませんが、箱がないことだけで買取を断ることはありません。古いボトルに値がつきやすいのは、多くがもう造られていない仕様だからです。2018年に休売となってから新しい出荷のない響17年や、蒸溜所が操業を終えて同じ中身がもう出てこない軽井沢のような銘柄では、手元にあるボトルの状態の良し悪しが、金額をそのまま左右します。
液面の高さとキャップ・コルクを確かめる
長くしまっておいたボトルは、封を切っていなくても、栓のわずかなすき間から中身が少しずつ抜けていきます。まずボトルを平らな台に立て、真横から見て液面がどの高さにあるかを確かめてください。減りがわずかなら評価への影響は小さく、目に見えて下がっていても査定そのものはできます。どれくらいの差になるかは、実物か写真を拝見したうえでお伝えします。
コルク栓のボトル
古い時期のボトルには、スクリューキャップではなくコルクで栓をしたものがあります。たとえば竹鶴17年は、2007年ごろまでの角瓶がコルク栓で、その後の丸瓶からスクリューキャップに変わりました。コルク栓のボトルは、売るまで横に倒さず、立てた向きで置いてください。栓に割れがある、首まわりに液がにじんだ跡があるといったときは、その部分を近くから撮って先にお送りいただくと、対応をご案内できます。
陶器のボトル
響21年の陶器ボトルのように器が焼き物でできているものは、外から液面を見ることができません。このようなボトルは、器全体の重さを量って入っているはずの量と比べ、栓まわりの封に緩みがないかもあわせて確かめます。ガラス瓶とは確かめ方が違うだけで、未開封であれば同じように査定の対象です。
ラベルの傷みと中身の色・澱
窓のそばなど光の入る場所に長く置いていたボトルは、ラベルが日焼けして色が薄くなったり、シミが浮いたりしています。紙の端がめくれかけたボトルもあります。こうした傷みは状態として金額に反映しますが、それだけで買取をお断りする理由にはなりません。汚れを落とそうとこすったり、めくれた部分をテープで留めたりはせず、見つけたときのままお持ちください。
中身については、光や熱を受けて色が変わっていないか、液の中や底に澱が漂っていないかも確かめます。明るい照明にボトルをかざして透かすと、色の具合も澱の有無も分かりやすくなります。ただ、シェリー樽で寝かせた原酒のように、もともと濃い色に仕上がっている銘柄もあるため、色が濃いというだけで傷んでいると判断することはありません。
「特級」表記や容量からボトルの時代を知る
古いボトルを売るときにもう一つ確かめておきたいのが、そのボトルがいつごろ出荷されたものかという点です。同じ銘柄名でも、時代によってラベルやキャップの仕様が異なり、価格表では別の行として扱うものがあります。時代を知るおもな手がかりを、次の表にまとめました。
| 手がかり | 見る場所 | 例 |
|---|---|---|
| 「特級」の表記 | 表ラベル | 1989年に級別制度が廃止される前の出荷分に入る表記。山崎12年の古いボトルなど |
| 容量の数字 | 裏ラベル | 山崎12年では760ml、750ml、700mlの順に表記が変わった |
| マークの有無 | キャップの天面・表ラベル | 山崎12年の向獅子マーク、響17年の響マーク |
| 栓の種類 | キャップ・栓 | 竹鶴17年の角瓶はコルク栓、丸瓶はスクリューキャップ |
| 箱の形や色 | 化粧箱 | 響30年は2007年ごろまで金色の観音開きの箱 |
いくつかの手がかりを組み合わせるほど、出荷の時期を絞り込みやすくなります。お持ちの銘柄のページに「見分け方」の欄があれば、手元のボトルと見比べてみてください。価格表のどの行にあたるかの探し方は、ウイスキーの買取相場の見方で説明しています。
査定までの保管のしかた
査定の日まで間があくときは、ボトルを立てた向きのまま、光の届かない涼しい場所に置いておきます。窓際やコンロの近く、暖房の風が直接当たる棚は避けてください。化粧箱があるなら、箱に戻しておくと光も防げます。
木箱、化粧箱、冊子、ネームタグなどの付属品は、傷んでいても捨てずにボトルと一緒にまとめておきましょう。箱の色や形、内側に記された年号が、ボトルの時期を確かめる材料になることもあります。宅配で送る場合もボトルは縦向きで箱に詰めるのが基本で、詳しい梱包の手順は宅配買取のページにあります。
写真の撮り方と相談の流れ
古いボトルは、先に写真で状態を拝見しておくと、どの時代の仕様か、どこが評価に響きそうかを前もってお伝えできます。次の写真をそろえて、LINEかメールでお送りください。
- ボトル全体:立てた状態で真横から。液面がどこにあるかが分かるように
- 表ラベル:銘柄名、熟成年数、「特級」などの文字が読み取れる距離で
- 裏ラベル:容量や輸入元など、細かな文字にピントを合わせて
- キャップや栓:天面のマーク、封の破れ、コルクの割れが分かるように近くから
- 付属品:箱や冊子など、残っているものを並べて一枚に
本数が多いときは、何本かを並べて撮っていただいても大丈夫です。写真で目星がついたら、お近くの店舗へ持ち込むか、運ぶのが大変な量なら出張買取もご利用いただけます。ご成約の際には本人確認書類を拝見し、20歳未満の方からはお買取りできません。ほかのテーマの記事はウイスキー買取ガイドにまとめています。